前職で退職に追い込まれ、実質クビになった形で失業、転職せざるを得なくなった経験を持つ私。
しかもそのせいで、社会人5年目にして転職回数3回目というディスアドバンテージになり、正直お先真っ暗…かと思いきや?
そんな私ですが、いざ面接に挑むと、1か月で最終面接5社、内定2社という結果を残すことができました。
(最終面接に進んだ会社も、1社目の内定が出た時点で辞退してしまったので、もしかしたら内定だったかも…?などと)
日本人の20代でクビなんてめったにないけど、もしかしたら同じような境遇に置かれて困っている人もいるかもしれない!
と思ったので、せっかくならこの不運な経験が誰かの役に立てばと思い、私が実際に行った面接対策を公開しちゃいます!
転職理由の伝え方
結論:正直に言ってました(ただし言葉は選ぶ)
クビになった理由によると思いますが、私は正直に言ってました。
私がクビになった理由ですが、「頭が悪い」とか「ぬるい」「レベルが低い」「うちの会社に合ってない」などなどいろいろ言われました。
要は戦力外通告v
ただ、面接でそのまま言ってしまうと、
「え、そんな人採用したくないけど」
って思われるのは目に見えてますよね。
どんな会社も、頭悪い人と言われた人を採用したくない…よね…
なのでクビになった理由はもちろんそのままは伝えず、視点を変えて伝えてました。
まずは状況の整理。
私は「頭が悪い」というより「会社のやり方や基準、視点に合ってない」だけだと思ったので、このように伝えていました。
前職はいわゆるスタートアップ企業で、会社を成長させる視点が求められました。
一方私はwebマーケティングという仕事自体が好きで自身のスキル向上が軸にあったので、会社の求める『マインド』に合わないと常々言われておりました。
さらに人数が少ない会社で1人だけ向いている方向が違う人がいると困るということで、会社に合わせようとマインドを変える努力もしたのですが、なかなか性格や思考を変えることはできず、退職せざるを得ない形になりました。
前職は私以外の社員が全員大学までスポーツ部に所属するようないわゆる体育会系の方でした。
一方私は趣味がインドアで運動も健康のためにする程度でした。
会社の商材的に運動やスポーツの知識が必須でmもちろん努力はしましたが、短期間ではどうしても他の社員の知識や感覚についていくことができませんでした。
社員が4人という中で一人でも社風に合わない人がいると働きづらいということで退職せざるを得なくなりました。
ほとんどの会社で次の選考にも呼んでいただけたので、問題はなかったんだと思います。
「もちろん会社の基準に合わせられるよう努力はしたのですが」という内容も伝えられるとアピールにもなる◎
会社のせいにはしない!純粋無垢を装って
上記のように伝えると「それって、面接で見抜けなかった会社が悪くない?」と面接官の方が至極真っ当な感想を伝えてくださることが多かったのですが、とにもかくにも会社の悪口はNGです!
「そうですね、会社が悪いと思います」なんて言ったら、「…あれ、この人にも問題があったのでは?」と思われそう
「ミスマッチした会社も悪いよね?」と言われたら、
「前職は人数が少なく、プロの人事担当がいなかったので、その点は仕方なかったと思います。
この会社でやっていけるかという自己分析が足りなかった自分に落ち度があったと考えています」
と言っていました。
ここまで言えると、面接官も「よく言えました」みたいな柔らかい表情になるのがちょっと面白かった笑
しょうーーじき、会社の悪口の一つも言いたくなってしまいます。
が、ここは純粋無垢で悪口を知らないお嬢様を装い、「いえいえ、私にも反省点があったんですよ」感を出せると印象を落とさずに済みます。
クビになっても前向きなのはむしろ好感度up
クビになったと伝えつつ、「でも前向きです!」感を出せると、一気に好感度が上がった実感がありました。
「クビになりました」と伝えるのは少し心苦しいし、優しい面接官の方は「お辛い経験をされましたね…」なんて言ってくださるので、しんみりモードになりがちです。
しかし、面接はボランティアではないので、「かわいそうだから採用してあげよう」なんてことには一切なりません。
それどころか、「なんか暗い人だったな」という印象が染み付いてしまい、不利になってしまう懸念があります。
笑顔で、明るい声で話すのはもちろん、
「クビになったけど、自分の至らなかった点や、企業研究・自己分析が足りなかった点を反省し、次は長く働ける職場を見つけられるよう努めています!」
という、クビすらも糧にする前向きさはむしろ「いいですね!」という反応をもらえました。
私のように転職回数が多い人は特に、
「〇社目の会社の~~という働き方では成果を出せていたため、似たような働き方の御社でなら成果を出せると感じています」
と伝えると反省を活かしている感が出る◎
志望理由や逆質問で「失敗を活かしてるアピール」
転職を3回も経験していると、中途採用の面接の流れが分かります。
【中途面接 だいたいの流れ】
1. 自己紹介(1分くらい)
2. 今回転職する理由
3. 前職での成果、持っているスキル
4. 志望理由
5 逆質問
だいたいは転職理由を話した後に志望理由や逆質問を聞かれるので、「クビになった➡その反省点を活かして御社を志望している」ことが伝わると、面接の流れとしてスムーズで、一貫性が出ます。
面接では「辞めない人か?=思い付きで行動してないか?」もよく見られるので、話している内容に一貫性があると印象が良くなるし、「考えて行動してる」という説得力にもなる!
「転職理由(会社を辞めた理由)」が志望動機につながったり、逆質問で「前職を辞めた要因が御社にないかどうか確認したい」ことが伝わったりすると、「この人は反省を活かして転職に臨んでいるんだな」という印象を与えられます◎
志望理由:前の会社と違い〇〇なので
志望理由では、
①なぜこの業界(または業種)なのか
②自分はこの御社で何ができるのか(スキル・自己アピール)
③その中でもなぜ御社なのか
の3点を軸に伝えるのが一般的かつシンプルです。
そこで、③の「なぜ御社なのか」の部分をクビになった理由と真逆の理由で話せると、「なるほど、前の会社は合わなかっただけで、うちの会社なら問題なく活躍してくれそうだな」という説得力につながります。
【実際に伝えていた例①】
「前の会社は設立間もない企業で、未経験で働くには厳しい環境だった。」
→「御社は着実な成長を遂げていて、教育フローも整っているため、積極的にFBを受けながら着実に成長していけると感じた。」
【実際に伝えていた例②】
「前の会社はコンサル出身の社長だったため物事の決定には明確な根拠が必要とされ、持ち前の行動力が活かせなかった」
→「御社のとりあえずやってみよう精神の考え方は、私の今までの働き方や行動原理に合っており、持ち前のアイデア力や行動力を活かして成果を上げられると感じている。」
「自分のレベルが低かった」でも「会社が悪い」でもなく、あくまで「会社が良しとする働き方が、自分の働き方とマッチしなかった」という伝え方を心がけ、面接前にめちゃくちゃ練っていました。
逆質問:前の会社が〇〇だったのですが御社は違いますか?
逆質問でも、「クビになったことを受け止め、反省を活かしています」というアピールの場になります。
「前の会社の〇〇な部分が合わずクビになった→御社は違うよね?」という聞き方をすれば、きちんと企業研究をしてきたことが伝わりますし、自己分析をしたうえで面接に臨んでいることが伝わります。
【実際の逆質問例①】
「前職では教育環境がないに等しく、自主的に勉強したとはいえ、未経験入社ではキャッチアップに限界がありました。御社は成果物に対してFBをいただける環境でしょうか?」
【実際の逆質問例②】
「前職では、社長が強い言葉で社員を否定する場面が多くあり、委縮して意見が言えない環境であったと感じています。御社のHPを拝見する限り、ロジカルで穏やかな人が多い印象を受けましたが、強い言葉で部下を威圧するような文化はありますでしょうか?」
1次面接でこのような質問をしておけば、2次面接以降に志望動機を聞かれた際に「前職は〇〇でしたが、1次面接で御社は□□という社風だとお聞きしたので、自分に合いそうと感じた」ということも伝えられましたよ◎
【心理学的効果アリ】「こんな子をクビにするなんて!」と思わせたもん勝ち
実は心理学的にも、「クビになった」ことを伝えた後に今まで伝えたような前向きなアピールをすることで、面接官により良い印象を与えることができます。
心理学には「ゲインロス効果」といって、「ずっと良い印象の人より、最初は良くない印象だったのに良い印象に変わった人のほうが好きになりやすい」みたいな効果があります。
少女漫画の定番、「第一印象サイアクだったあいつなのに、キュンとしてしまってー…」みたいな、いわばギャップ萌え
「クビになって転職することになった」と聞くと、最初は面接官に悪い印象を与えるでしょう。
しかし、面接で
「この人は悪くないんじゃないか?」
「むしろクビにした会社が悪いのではないか?」
と思わせたらこっちの勝ち。以下の側面から、「むしろクビにするなんてもったいない人材だ!」と思わせられるアピールをしていました。
人柄でアピール
再三お伝えしているように、「クビになっても反省し、前向きである」というのは面接官には良い印象を与えます。
人生経験が多い人ほど「人は失敗から学ぶ」ことを理解しているはずなので、失敗を反省して活かしている姿勢は好印象に映るんだろうなぁ
また、面接は「優秀かどうか?」よりも「うちの会社に合うか?」という視点で見られることが多いです。
「クビになった」と言った時点で人間性に問題があると想像する人が多いので、「人当たりの良さ」「明るさ」「前向きさ」を前面に押し出し、ギャップで印象を持ちあげるのが効果的でした。
実際、私は面接で「人当たりよさそう」「本当に会社が合わなかっただけなんだね」と言われることが多かった!
タフさでアピール
前の会社が激務だった場合、それを利用してタフさアピールもできます。
やはりクビになったことを伝えると「向上心がなかったのかな」「やる気がなかったんじゃないの」と思われがちです。
なので、それらを払拭するには
「激務で成果主義的な会社だったけど、成果を上げるために終電まで残ったり休日仕事をしたりしていた」
「月の残業時間は80時間ほどだったけど、体調を崩すこともなかった」
「厳しく叱咤される環境で落ち込むことはあったけど、すぐにFBを受け止めて仕事に活かした」
というようなタフさをアピールすると、「やれることはやったけど、その会社に合わなかったんだな」と受け止めてもらえます。
と、同時に、「激務でパワハラ気味なのに体調もメンタルも崩さないってことは、うちの会社でもやっていけるな」という印象も与えられるので、激務な思い出も利用して、あくまで明るく、前向きに伝えることを心がけていました。
「会社都合でクビになったかわいそうな子」ではなく「大変な環境なのに前向きに努力できるタフな子」という印象を与えることを強く意識してたよ!
スキルでアピール
面接で必要なのは「人柄」以外に「うちの会社の仕事ができるか」というスキル面ももちろん重要です。
「クビになった」のは会社が厳しかった、あるいは合わなかっただけでスキルは身についていることが分かるよう、自分の実績や成果は正しく伝えられるようにしていました。
【実際に伝えていた例】
「ビジネスマインドが会社に合わずクビになったが、月に15本というライティングのノルマは達成していた」
「社風に合わずクビになったが、SEOスキルや情報のキャッチアップは認めていただいていた」
私はたまたまwebマーケからwebマーケの転職だったのでスキルが伝えやすかったのですが、異業種の場合でもスキルでアピールすることは可能です。
【事務からマーケのスキル例】
「事務では様々な部署と連携し、相手にとってよりアクションの取りやすい連絡手段やメールの文章を工夫した。様々な部署との連携が必要になるマーケティング部でもこのスキルが活かせる。」
【接客から営業のスキル例】
「接客で培った、相手の課題を引き出して適切な商品の魅力を伝える力を、営業でも活かせる。」
異業種への転職なら、転職エージェントを利用してしっかり面接対策をした方が良いです。
おまけ:クビになって良かったと思ってしまった
この記事を読んで気づく人もいるかもしれませんが、私がクビになった会社は少々ブラック気味でした。
毎日数時間の残業ありきで振られる業務量、未経験者を安価で雇っているけど教育体制はなし、社長は言葉選びが悪く語気が強い、そんな社長との面談ではモチベが上がるどころか落ち込むばかり、飲み会では誰かを標的にしていじるばかり、そして福利厚生はもちろん残業代はなし、、、
他の社員が社長を崇拝していたものの、私は正直社長のことを人として尊敬できませんでした。
ただ、SEOやマーケティングのスキルは尊敬していたので、そのスキルだけ盗んですぐに辞めようと思っていました。
そんな中で「この会社に合わないんじゃないか」「このレベルの人に給料を払いたくない」と言われてしまい、退職することに。
今となっては結果論ですが、残業なしで給与もアップした会社に就職できて、時間と心に余裕が出たので副業もできて、しかもやりたかったwebマーケティングをやらせてもらえているので、前の会社はクビになって良かったなと思います。
今の会社の人はみんな優しいし、質問してもバカにされないし、人を人として尊重し合っている感じがします(まあそれが当たり前だと私は思うのですが)。
今思えば前の会社にいたときは、私自身も「あいつは頭が悪い」「思考停止してる」というような言葉が移ってしまっていたので、自分のパーソナリティを守る意味でも、クビにしてくれてありがと^~という気持ちです。