インスタで転職の発信をしてると、ありがたいことに多くの人から相談をもらいます。
その相談の内容を要約するとだいたい以下の通り。
「転職はしたいけど、やりたいことがないんです。」
この悩みについては、「いや、普通では?」って思います。
長くなったので結論から言うと、「やりたいことを見つける前に、やりたいことを考える余裕を持つべし」です。
※この記事は20代の独身女が書いてるので、20代独身女性向けの内容になっています。そこはご了承ください。
そもそも仕事ってやりたくなくない?
「イヤ」を解消するのが転職
だって、そもそも仕事自体、やりたくなくないですか?
仕事に夢見ると泥沼にハマります。
多くの人にとって仕事というのは「働かなきゃ生きていけないからするもの」です。イヤイヤ働いている人も多いでしょう。
なので、「いまイヤな部分をできるだけ解消する」のが転職だと私は思っています。
給料が低いのがイヤ→もっと給料が高い仕事に就く
残業多いのがイヤ→残業少なめの企業を選ぶ
接客がイヤ→接客以外の仕事を選ぶ
私は、マーケの仕事は維持しつつ、残業をガッツリ減らせる企業を探してたよ!
やりたいことを仕事にしてる人、ほぼいない
私は4社経験して前の職場の人とも今も会っていて、マーケスクールでいろんな人と出会って、いろんな人のオンライン面談をして、マッチングアプリでもいろんな人の話を聞いて…
1年で100人くらいと仕事の話をしたでしょうか。
その上で、「やりたいこと=仕事」の人ってほぼいないです。
私も「やりたい仕事見つけました」「仕事楽しい」と言ってますが、じゃあ1週間振り返って楽しかったことランキングを付けたとしたら、明らかに仕事は5位未満です。
1位 | 蘭たんのゲーム実況面白かった |
2位 | 今週の呪術面白かった |
3位 | 友達と飲みに行った |
4位 | ポケモンスリープで色違い出た |
5位 | インスタで素敵なDMをもらった |
仕事は楽しいけど、あくまで今までの不満だらけの働き方を知ってるからこそ、「まだマシ」くらいの意味合いなのです。本当はずっとゲームしてたい。
「やりたいことないけど転職したい」人への提案
実現可能性×キャリア広げ力
「やりたいことないけど転職したい」の結論として、「キャリア広げ力の高い仕事を選ぼう!」といつも言っています。
キャリア広げ力はもちろん私の造語で、一般的に「市場価値」と言われるものと大体同じです。
なんか気に入らなくて。「市場価値」って言い方。
転職したいってことは、今の状況になんらかの不満があるはず。
でも、何をしたら良いか分からない。
転職できるほどの経歴もスキルもない気がする。
そんな人は、未経験から応募しやすく、かつキャリア広げ力の高い仕事を選んでおくと良いかなと思っています。
代表的なものが、営業。
…と、聞くと「えーーーヤダ!!厳しそう!パワハラ!ノルマ!」
とアレルギー反応を見せる人もいるのですが、そのイメージはちょっと古いかも。
いまは「反響営業」といって、広告を見て問い合わせてきたお客様に説明する営業や、「ルート営業」といって既存のお客様を回る営業も多く、SaaS企業なんかはオンラインで完結する営業も多いです。
うちの会社もSaaS(IT系のシステム)で、営業さんは完全オンラインな上に週3リモート!
もちろん営業以外にも選択肢はあるので、エージェントさんに聞いてみてください!
「やりたいことはないけど、とりあえずブラック企業は避けたい!」という人ならUZUZさんがおすすめ。
未経験応募ができる求人が多いですし、「ブラック企業徹底排除!」とうたってるだけあり、評判も定着率も高いです。
派遣も実はキャリア広げ力の高い選択肢
派遣…と聞いても「え~~それはなんかプライドが許さない!」とアレルギー反応を見せる人もいるのですが…派遣からキャリアを広げてきた人はたくさんいます。
たとえば私は派遣をしながら副業でライターをし、その実績でいまのマーケ職に就いています。
派遣から正社員登用された友人も何人かいますし、派遣から事務職のキャリアを始めて競争力の高い事務職正社員に「経験者」として転職する人もいます。
正社員でいっぱいいっぱになり、自分を追い込んでしまっている人は、心と時間の余裕を作るためにもいったん派遣になるのも強くおすすめしています。
「いったん心を落ち着けて、冷静に考える期間」を適切に設けるのも、やりたいことを見つける秘訣
私が良い感じの派遣会社を紹介してもらったエージェントはこちら。
まずはコーチングサービスで相談する
有料にはなってしまいますが、「どうしても自分の本当の感情が見えてこない」という人はコーチングサービスを活用するのもオススメです!
特にオススメなのが、女性コーチオンリー!ライフイベントに合わせたキャリア形成が難しい女性のためのキャリアコーチング「Artist Pathway」。
私もしっかりじっくりお話を聞いて、「これなら高額な料金を払う価値がありそう!」と強く感じたよ!(そもそもキャリアコーチングのなかでもかなり低価格だし)
向いてる仕事ではなく向いてる職場を探すべし
「自分に向いている仕事、自己分析しても分かりません!」
そりゃそうです。
どんな仕事も、あらゆる性格に向いている側面も向いてない側面もある。
どんな性格も、あらゆる仕事に向いている側面も向いてない側面もある。
たとえば私はライターになって「向いてそう!」と思ってWeb系の会社でライターをやっていましたが、まーーー合わなかった。合わな過ぎて、クビになる始末。
で、今は他の会社でライターやってますが、とても快適に働けています。
要するに、どの仕事がどの性格に合ってる・合ってないではなく、合う職場合わない職場があるだけかなと思っています。
じゃあどんな職種を選べばいいかと言えば、先述の通り、まずは実現可能×キャリア広げ力の高い仕事を選んでみると良いと思います。
キャリア広げ力の高い仕事の良いところは、たとえば営業なら、後から「デザイナーやりたい!」ってなっても、結局営業力があることでより稼げるデザイナーになりやすいところ!
経験して損なし!と言える◎
やりたいことある(ように見える)人の本音を聞いてみた
ここからは、「やりたいことを仕事に」の真意について、より深掘っていきます。
夢を叶えたっぽい人(経営者やフリーランス)
経営者の方やフリーランスの方は夢を叶えているように見えますが、話を聞いてみると案外そうでもないです。
というか、だいたいの個人事業主は「本当はみんなと一緒にフツーの会社員したいけど、みんなができることが自分にはできない」と悩んでいて、「別に好きでもないけどできること」を選んだ結果が【夢を叶えたっぽいもの(経営やYoutuberやイラストレーター)】という話をよく聞きます。
だから、あなたや私が「経営もフリーランスも無理だから仕方なく会社員やってる」のと本質的には同じ場合が多いです。
もちろん「ガンガン稼ぎたいぜ!」で独立している人もいるけど、そういう人はもう学生の時から私のような凡人とは違う考え方だから、外れ値として分けて考えるべきかも。
看護師や警察官に聞いてみた
私の地元の友達には、学生のころから医療従事者や公務員を目指している人が多かったです。立派な「将来の夢」ですね。
大人になって、彼らに会うと、やっぱり不満や愚痴が多い。夢を叶えたのになぜ?
そこで、なりたかった理由を聞いてみると、こんな感じでした。
看護師の友人「母が看護師だったから、自分もそうなるもんだと。それ以外の選択肢を考える余地もなかった」
警察官の友人「勉強もできないし、高校の友達もみんな勉強しないから大学という選択肢もないし、じゃあ警察ならなれるかなって」
…もちろん友達である私に話すのが恥ずかしいだけで、志や目指す理由は他にもあるとは思いますし、単なる一例です。
ここで言いたいのは、「昔からの夢をかなえた人」の真意は、「実現可能な範囲でできそうなことを選んだ」ということも多いかもよ?ということです。
続いてる人=やりたい仕事をしている、ではない
私は20代で4社も転職しているため、新卒からずっと同じ会社で働いている人は、
「新卒からやりたいことを見つけ、企業選択もミスらなかったんだな~」
と、羨ましくて仕方なかったです。
でも、新卒から働いている人に話を聞いてみると、それは表面的な理解でしかなかったことが伺えました。
続いてる秘訣をいろんな友人に聞いてみたのですが…
「親が事務職だから事務職を選んで、辞める理由がないから続けてるだけだよ~」
「古い会社だからパワハラセクハラも多いし、辞めるべきなんだけど、まともなスキルがなくて辞める勇気がないの」
「給料低いし転職したいけど、子どもできちゃって福利厚生は良いから辞める方が怖くて…」
「5年目までには独立しようと思ってたけど、なかなか思うようなスキルが身に付かなくて、ズルズル来ちゃった」
…という風に、必ずしも「新卒でバッチリな会社に出会えた」というわけではなさそうでした。
やりたいことを仕事に、の真意
「やりたいことを仕事に!」
「好きを仕事に!」
って、じゃあ誰が言ってるのでしょうか。
考えてみると、そう思わせることで得する人たちが見えてきます。
有名なのがYoutubeのCM。あたかもYoutuberをすれば好きなことを仕事にできる!という内容であり、確かにウソではないですよね。
でも、Youtuberを夢見る人を増やして得するのもYoutube側です。コンテンツ提供者が増え、視聴者層が広がれば、広告出稿の場が増えるため、Youtubeは儲かります。
転職サービスの広告も、「好きなことを仕事に」というフレーズに希望を抱いた転職希望者が増えれば、収入増加が見込めます。
SNSで「フリーランス最高!」と言ってる人は、自分に憧れを抱いてもらうことで、「こうなるためにはこのサービスを使うと良いよ!」につなげる意図もあったりします。
もちろんこれらは「好きを仕事に」と言うことで得する側面の話であり、「ウソ」や「詐欺」ではありません。本心でそう思っての発言でしょう。
ただ、そういう「意図」のある発言はだいたい良い側面だけの理想論である場合が多いです。
Youtuberは視覚・聴覚・言葉選び・企画といったマルチなセンスが要求されるし、転職だってすべての理想を叶えられるわけではありません。フリーランスだって、自分で考え管理することが会社員より大幅に増えます。
「これで痩せました!」というキャッチコピーの効果が体質によるのと同じで、「好きを仕事に」のキャッチコピーが正解かどうかも人によるのかも
「やりたいこと」を目標にすると泥沼
やりたいことを見つけるにはやってみないと分からない
当然ですが、「これが私のやりたいこと!」と言えるものを見つけるには、やってみないと分からないです。
広告を見て、やったことがないのに「デザイナーになりたいのかも!」と思っていきなり高額なスクールに入る人がいますが、挫折してしまった話をよく聞きます。
これはおそらくやる前から「向いてるはず!」と決めちゃたから。
お金は有限なので、まずは自分でバナーやサムネを作ってみて、「あれ、意外と作れるな?」「時間を忘れて楽しめるかも!」「もっとプロの視点で教わりたい!」と思ってから初めてお金を払う、でも遅くないはずです。
もちろんそこで「あれ、私センスないな」「意外と楽しくないな~」って思ったら、無料で向いてない仕事が見つけられてめでたしめでたし。(大人になって無料で失敗できるって、案外貴重な経験ですよ!)
…ここまでくると察しがつくかもしれませんが、転職をする時点で「何が向いてる?」「やりたいことは?」と考えても、分からないのは当然です。
だって、やったことないから。
やりたいことを見つける、を目標にすべきでない理由
「やりたいことを見つけるぞ!」と意気込んで習い事や副業を始める人がいるのですが、「やりたいことを見つける」を目標にすると、多くの場合泥沼化します。
やりたいことって、やりたいからやるのであって、「やりたいことを見つける」が目標だと、心のワクワクが湧いてきづらいのです。
つまり、ゴールが遠すぎる。
たとえば私は昔から音楽が好きでした。ギターを始めるも手先の不器用さで挫折。
でも歌詞の考察が好きで、ブログを書いたらまぁまぁ読んでもらえるようになり、音楽サイトの専属ライターだった時期もありました。
そこから転職をして、本業もWebライターになりました(職種としてはマーケターですが、ライター業務が多いです)。
目の前のワクワクがあったから続けられたし、続いたからこそ違うステージが見えてきて、たまたま仕事になりました。
ゴールが「やりたいことを見つける」だと、まずやりたいことかどうかも分からないことに時間を使うのが苦痛ですよね。
でも、ワクワクに従って動いてみると、ゴールが目の前の「ワクワクすることをやる」だから、労力がかからないんですよ。
やりたいことなんてない人へ
…という話をすると、「私はワクワクすることもない!」という人もいるのですが、たぶんワクワクセンサーが鈍感になっているんだと思います。
「~~すべき」「~~であるべき」に囚われていませんか?
「~~に時間を使うのはムダ」と切り捨ててませんか?
やりたいことが見つからないと思ってる人の多くは「一度きりの人生、せっかくならやりたい仕事をしなきゃ!」と思ってるかもしれませんが、そんなべき論に囚われていては人生楽しくないし、本末転倒ではないでしょうか。
ちょっとでも「お、面白そう」と思ったマンガを読んでみる、ちょっとでも気になる本は買ってみる。
そういったとこからワクワクセンサーを敏感にすると、そこからのチャンスにも敏感になれますよ!
…っていう話をすると「でももう〇歳だし…」って言われるんだけど、じゃあ残り数十年の人生、ワクワクセンサーが鈍感なまま生きてくんですか?って話で…
さいごに:やりたいことを仕事にってそんなに大事?
人生って、何があるか分からないじゃないですか。
私たちが生きてきたたった20~30年でも、リーマンショックや度重なる災害、コロナの流行。
誰が予想できましたか?
逆に、たまたま入ったサークルで好きな人ができたり、たまたまやってみた趣味が仕事になったり、たまたま入った会社で褒められたり。
人生は「たまたま」の連続です。
なのになぜ、転職となると「確定された天職」を見つけようとするのでしょうか?
転職の成功は「自分にピッタリな100点の仕事を見つける」ことだけではありません。
「月曜が怖くない、ちょっと嫌だな~くらいの穏やかな職場」「残業が減らせて、趣味の時間が持てる仕事」「とにかくブラック企業を避ける」がゴールでも良いじゃないですか。
そこからたまたま良い出会いがあるかもしれない。
思いがけず成果が出せるかもしれない。
心の余裕ができて副業したら稼げるようになるかもしれない。
まだ見ぬ「たまたま」を見つけるため、今のイヤなことを解消する。
私としては、やったことのない仕事を天職だと思い込んで行動するより、「たまたま」に気づける心の余裕を作るための転職にする方が、実現可能性も高く、幸福度が高いんじゃないかな~と思います。