バイアスとは
バイアスとは、簡単に言えば「思い込み」「偏見」や「偏った見方の原因」のこと。
たとえば「昨日、君のお兄さんがトラック運転手とデートをしていたのを見たよ」と聞いたときに「どういうこと?」と思ってしまう人もいるでしょう。
「トラック運転手=男性」だと無意識に思い込むのも”バイアス”によるものですし、そもそも「デートは異性同士でするもの」と思い込むのも”バイアス”がかかっていることによる思い込みです。
しかし、バイアスがあることは悪いことではありません。
たとえば「正常性バイアス」がないと、毎日地震や事故に怯えてしまい、何も行動できなくなってしまいます。
他にも、同調性バイアス(みんなと同じだあら大丈夫と言う思い込み)や確証バイアス(自分が良いと思っているものは贔屓目に見てしまう)などさまざまなバイアスがありますが、これらがあるからこそ人は日々の決断を早くすることができています。
逆に、バイアスが一切ないと、何が正しいのか・自分はどうしたいのかが判断できず何も行動できなくなってしまうでしょう。
バイアスは「なくすべきもの」ではなくて、「人間に当たり前にある脳の作用」ということですね!
バイアス診断とは?活用方法も紹介!
ミイダスのバイアス診断ゲームとは、「バイアス=自分にどのような思い込みがあるのか?どのような選択の傾向があるのか?」という意思決定のクセを知ることができる診断ゲームです。
よくある心理テストのような診断とは違い、「NTTデータ経営研究所」というコンサルティング会社と「JACリクルートメントHRサイエンス研究所」が共同開発した、本格的なもの!
…水を差すようですが、企業名を聞いて「これはすごい診断に違いない!」と思ってしまうのも「ハロー効果」という一種のバイアスです(笑)
バイアスには様々な種類があるのですが、ミイダスのバイアス診断で分かるのはなんと22項目!
- フレーミング効果(表現方法が意思決定が影響されやすいかどうか)
- 現状維持(現状維持か、現状を変えようとするか)
- サンクコスト効果(損切りできるかどうか)
- 現在志向(現在が大事か、未来が大事か)
- 衝動制御(衝動をセルフコントロールできるかどうか)
- 予測態度(不確かな状況を予測し冷静に対処できるかどうか)
- リスク許容度(リスクをとれるかどうか)
- 協力行動(自分と相手の利益どちらを優先するか)
- 全体注意(全体を俯瞰できるかどうか)
- 焦点注意(細部に目を向けられるかどうか)
- 否定的感情(物事に対し否定的な感情になりやすいかどうか)
- 同調度(意思決定の際に周囲の意見に左右されるかどうか)
- 共感性(他人への共感の高さ)
- 目的思考(目的を意識して作業できるかどうか)
- 評価下落回避(他人の評価を気にするかどうか)
- 損失回避(リスクを負って利益を優先するかどうか)
- 労力回避(労力の投下に抵抗があるかどうか)
- 失敗回避(失敗を気にしないか回避したがるか)
- 感情・バイアス制御(シチュエーションに合った合理的選択ができるかどうか)
- 自分の好み(行動時や選択時、自分の好みに左右されるかどうか)
- 他者の評価(他人の評価に左右されるかどうか)
- 職場における価値基準(職場に何を求めるか)
22以外は、それぞれ1~10の「偏差値」が分かり、自分がどれくらいそのバイアスに支配されているかを客観視することができます。
全部覚えなくても、「自分はこの項目が極端だったな」と自覚するだけでOKです
たとえばこの「協力行動」の偏差値は「8」。
かなり「10=相手の利益を優先する」に寄っていることが分かりますね。
活用方法としては、
・意思決定のクセを自覚することでこの先の意思決定において「思い込み」による失敗を減らす
・良くも悪くも「他人と差がつく」ポイントを発見する
・思い込みの種類を知り、自分だけでなく他人がどのように意思決定をするのかを理解する
など、仕事やプライベートから人生の大きな選択まで、多岐にわたります。
私は「自分よがりな選択をしてるかも…」「けっこう好き嫌いで物事を決めがちかも…」というもやもやを晴らすために受験してみました。
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バイアス診断を受けるメリットは?
自分の「思い込み偏差値」が分かる
バイアス診断では、自分にどんな思い込み傾向があるかだけでなく、その傾向がどの程度偏っているのか、いわば「思い込み偏差値」が分かります。
各項目に対し0~10の数値がつき、0または10に近いほどバイアスの偏りが大きいと言えます。
たとえば私は「協力行動」という項目に対して数値は「8」と、「相手と自分の利益を優先する」という傾向が強いことが分かりました。
そのため、無駄に相手のことを気にしてしまって損することもあるかも?と考えることができます。
一方「否定的感情」という項目に関しては「物事に対して否定的な感情を抱きやすい」傾向にあるものの、数値は「6」とそこまでの偏りがありません。
もしかしたら質問方法や状況によるのかな?と捉えることができます。
このように、各項目に対して「どの程度強い思い込みがあるのか」つまり「どの程度気にするべきか」が計れるのが良いです。
私は否定的感情が強い方かな?と思ってたのですが、結果を見て「少しその傾向がある」程度だと気づけました。
たしかに、もともと偏見や経験がないものに対してはいったん受け入れるかも。
バイアスに対する懸念点や対策法が分かる
画像右上に「アドバイス」という項目があり、そこをクリックすると各項目の結果についてのアドバイスを見ることができます。
参考までに、「否定的感情」のアドバイスの中身はこちら↓
特に傾向が強かった項目に関して、自分が何に気を付ければ良いかが分かります。
バイアスについてなかなか自分で気づくのは難しいので、仕事でもプライベートでも役に立ちそう!
気持ちがラクになることも!
アドバイスを見ることで、
「バイアスが強いと思っていたものが、実は他人と同程度だった」
「捨てるべきだと思っていたバイアスが、実は役に立っていることもあった」
など、気持ちがラクになる項目もありました。
たとえば先ほど紹介したように、私は「否定的感情」が強いのかなと思って気にしていました。
しかし、偏差値で見ると、実はそうでもないことが分かります。
「否定的感情」は、なさすぎてもむしろ他人に流されてしまうものなので、「ほどよくある」ことが分かってちょっとハッピーになりました(笑)
転職活動の前にバイアス診断を受けるべき理由
転職サイトのミイダスが出している診断ということもあり、この診断は転職活動を始める前に受けることをお勧めします。
理由としては、自分の選択のクセを知ることで
「自分はリスクを回避しすぎるから、今回の転職は少しチャレンジしてみよう」
「自分はどうしても他人より自分の利益を優先しがちだから、チームプレイ中心の職場は合わないかもな」
「求人の表現によって、自分の意思がゆがめられないようにしよう」
などなど、人生において重要な選択である「転職」で、後悔する可能性を下げることができるからです。
自分の転職活動を振り返ると、たしかに診断結果のような意思決定をしていたなと思いました(笑)
転職での失敗や後悔を減らすためにも、ぜひ転職活動前の受験をお勧めします!
バイアス診断を受ける際の注意点!
受験は1アカウント1度のみ!
バイアス診断の受験は、1アカウント1回のみです。
1診断あたり40分~1時間と長いですが、集中して受験しましょう!
「正解」はない!けど「正解」を選ぶつもりでOK
バイアス診断は、他の心理テストのように「正解」はありません。
ただ、「これは絶対これでしょ」というように自分のなかの「正解」を答える心持ちでOKです。
なぜならバイアスとは自分の中の「これ正解でしょ」というバイアスを見つけるから。
「これが正解だろうけど、これ選ぶと診断結果が微妙になりそう…」
と思わず、自分のなかの正解を当てにいくことをお勧めします。
飽き性な人は2回に分けて!
診断は1回分が20分~30分とかなり長いので、飽き性な人は2回に分けてそれぞれしっかり集中できる環境を整えましょう。
私は最後のほう、めんどくさくてヤケになっていた箇所も正直ありました…(笑)
ながら受験はNG
忙しい人はご飯食べながら…などと考えてしまうかもしれませんが、これもNG。
設問によっては時間制限が2秒ほどの即決問題もあるため、1回分まるまる集中できるタイミングで受験しましょう。
企業にも公開されます
バイアス診断の結果は、あなたのプロフィールを見た企業も見ることができます。
ただ、項目を見る限り、どのような結果でも企業から低評価を受けるようなことは考えにくいため、あまり心配する必要はないでしょう。
むしろ自己分析に努めているという良い見方もできますしね!
仮にバイアス診断の結果を見て落とされたとしても、その企業とあなたは合わない可能性が高かったということ。「ミスマッチを防げる!」とプラスに捉えましょう◎
バイアス診断の難点
社会経験で変わる項目が多い
バイアス診断の項目のいくつかは、社会経験によってバイアスが大きくなったり小さくなったりするものもありました。
たとえば上の「目的思考」に関しては、私は前職のベンチャー企業でだいぶ鍛え上げられた自覚があり、結果も「9」とかなり目的思考が強い結果となっています。
以前は作業が目的化してしまうことがあり、どんどんゴールがズレていくことが多かったです…
次回の転職時に再度受験できれば良いのですが、1アカウント1回しか受験できないため、次回の転職でも同じ結果を表示するか、新たにアカウントを作成して再受験するしかないのも難点です。
短文なのでイメージしているものが人によって大きく異なるかも
「必ずある」ってどういうことだ…というツッコミは置いといて。
選考で使用される性格診断のように、文章がかなり短文なため、人によってイメージしているものがかなり異なってしまうのでは?という懸念が。
上記の画像を例に挙げると、受験者が重要な役職か、フリーランスのような選択の自由が利く仕事かによっても変わってしまいますよね。
「その人」というよりも、「その人の職業・立場」によって回答が変わりそうだなという設問がいくつかある点が個人的に気になりました。
設問がイメージしづらい
設問によっては、そもそも知識がないとイメージしづらいものがありました。
たとえば野球チームの監督の立場になって考えるものや、経営者になって考えるものは、私には経験がなく、野球に関してはルールもよく分からないため、想像しづらかったです。
おまけ-「無能」ポイントが少しわかったかも
いくつか難点もありましたが、診断としては面白かったです!
自分の思い込みなんてなかなか自覚できないし、他人から指摘されることもないので、転職を考えていない人でも一度受験する価値はあります。
さて、私は前職でさんざん「頭が悪い」「無能」というようなことを言われていたのですが、このバイアス診断で少しわかった気がします。
たとえば私はかなりリスクを回避するような診断結果になっていたのですが、その辺が前職のスタートアップでは保守的な考え方とみなされ、「無能」だと思われたポイントだったのかなと気づけました。
でもそれって、ベンチャー企業にいなければ特に問題ないことですよね。
自分が「無能」だと言われた理由に気づけて、なーんだそんなに無能じゃないじゃん、と思えただけでも受験してよかったなと思います!